「外部顧客」と「内部顧客」、双方に喜んでもらうために
ヘルスケアというサービスを提供する事業者にとっては、「最終的サービス消費者である利用者」と「サービス提供者であるスタッフ」が重要な顧客になります。利用者を「外部顧客」とし、その対称でスタッフを「内部顧客」と捉える考え方が一般的です。「外部顧客」の満足度と「内部顧客」の満足度は深く関係しています。
なぜなら、サービスは生産と消費が同時に起こる活動であり、「外部顧客」はその場に居合せて「内部顧客」のサービスの生産過程に参加しなければならないのであって、サービスは「外部顧客」と「内部顧客」との共同作業であるからです。また、「外部顧客」がサービスの生産過程に参加するということは、サービスの「結果」だけでなく「プロセス」も体験することであり、「結果満足」だけでなく、「プロセスの満足」にも関心を置かなければならなりません。私は、スタッフが安心・安全、心地・感動、簡便性・適応性に気をつけて行えば提供するサービスの価値が高まり、利用者の満足度は高まると考えています。
まず、安心・安全です。利用者は病気や障害を持ちヘルスケアの対象者になるのですから、多少なりとも生活やサービスに不安を感じています。したがってヘルスケアにおいては、不安を軽減することを患者から期待されていることを忘れてはなりません。たとえば、精神疾患では。不安による周辺症状や問題行動が出ることがあります。利用者は、決して叱られないと思えるとで、安心・安全が得られ、周辺症状や問題行動が予防できます。
次は、心地・感動です。人は自分に自己肯定感を感じることができれば、よく生きようとするようになります。利用者に敬語を使う、努力していることを褒めるなどしていけば、快適に生活ことにつながります。
最後は、適応性・利便性です。利用者は健常者が簡単にできることもできないこともあります。利用者さんをよく理解し、利用者の立場でサービスを提供することが求められます。たとえば、わからないことを進んで教えてくれる、苦手なことを嫌な顔をせずに一緒にやってくれるスタッフがいることは生活を楽にしてくれます。
なお、「満足」とは主観的な評価です。利用者の満足は、サービスを受ける前の事前期待と実際に経験したサービスとの比較によって決まります。事前の期待にかなうサービスが得られないと不満の原因となり、期待以上のサービスを得ると満足を得ることになります。したがって、利用者の期待には応える必要があります、過度な期待に関しては、「スタッフの立場」を理解してもらう努力も必要です。(馬場園 明)
